くらしの豆知識

あなたの隣りの相続物語 第59回 ~養子縁組で増税~

 

掲載日:2016/3/25

‡ 養子縁組で増税 ‡

 

 

相続手続支援センターパンフレット

歯科医のAさんが70歳で死亡しました。Aさんは独身で子どももいません。

死亡直前まで現役でバリバリお仕事をされており、身の回りのことやお金の管理も自分でされていました。

 

Aさんは癌で余命を悟り、自分の死後のことを考えておられました。推定相続人となるのは、弟Bさん・弟Cさん、妹Dさん、既に死亡した妹Eさんの子4名(代襲相続人)の7名でした。

しかし、Aさんは甥姪(妹Eさんの子)とは折り合いが悪く、遺産分割で揉めることが予想されました。

AさんとBさん、Cさん、Dさんは遺産分割でもめることはいやだと考え、BさんがAさんの養子になることを決め、養子縁組の手続きを行いました。

相続手続支援センターパンフレット

これでもう遺産分割で揉めることはない、程なくしてAさんは死亡し、相続の手続を行うことになりました。

Aさんは歯科医でしたから、それなりの財産がありました。

その額はBさんの予想をはるかに超えていました。

養子になったBさんは唯一の相続人ですから、遺産分割で揉めることはもちろんありませんでした。

しかし、思わぬ事に、養子縁組をしたことで税金の負担が増えることになりました。

 

養子縁組していなければ1億2千万円だった基礎控除額が、養子縁組をしたことで6000万円になり、それに伴い多額の税金を支払うことになったのです。

 

今回のケースは、揉めない事が第一の目的で、対策を実行できたので最悪の事態は避けられたと思います。

しかし、相続開始前に相談を受けていたら、相続対策として遺言作成を検討することもできました。

遺言書があると、他の兄妹らには遺留分はありまでんから、問題なくBさん1人が承継することができます。また、基礎控除も1億2千万円を利用でき、兄弟と遺産を分割する事も可能で、ぐっと相続税を抑えることができました。しかし、相続開始後では後の祭りです。

 

相続対策では、様々な角度からの検討が必要なので、あいまい知識ではなく総合的に判断できる専門家に相談した上で、対策を進めることが必要です。

 

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