くらしの豆知識

あなたの隣りの相続物語 第44回 ~相続人が認知症~

 

掲載日:2015/8/21

‡ 相続人が認知症 ‡

 

 

相続手続支援センターパンフレット

金融機関から「毎日相続の手続きに来るお爺さんがいるが、戸籍が集められないので手伝ってあげてほしい」と連絡があり、ご自宅にお伺いしました。

 

年配の男性Aさんは、一人暮らしにしては家は片付いており、受け答えもしっかりとしていました。

話を聞き、今までに取得した戸籍等をみると、子供のいない夫婦で、妻が亡くなり手続きを行っている事、その手続きを進める中で、妻の兄弟の戸籍が集められていないことがわかりました。

Aさんとの面談中に携帯電話が鳴ったため、席をはずし5分ほどしてAさんのところに戻ってきたところ、「あんた、誰だ?何の用事できてくれたのか?」と聞かれました。

そうです、Aさんは認知症でした。

 

戸籍不足分の収集の承諾を得ることができなかったのですが、Aさんの通帳やお財布の中には数千円しか入っていません。今後、妻の財産が解約できないままいったら、Aさんはどうやって生活していくのか?不安で仕方がありませんでした。

 

金融機関に連絡し、事情を説明すると、他の相続人の一人と連絡が取れるというではありませんか。

その方はAさんの妻の姪(兄弟の娘)のBさんでした。早速金融機関から連絡を取ってもらい、Bさんに相続人の一人であること、相続手続をするためにはAさんに後見人を付ける必要がある事、その申立人となってもらう事をお願いしましたが、当初、彼女は叔父とかかわりあいを持つことを拒否しました。

相続手続支援センターパンフレット

 

Bさんは、以前夫婦の面倒を色々とみていたのですが、血のつながりのある叔母が亡くなった事、叔母の病状が悪化するにつれて、叔父の暴言がひどくなったことなどを理由に、叔父の世話をしなくなりました。

Aさんは、妻の病気の進行により、認知症の症状が急速に進んでいたようです。Bさんが連絡を取らなくなってから、半年が過ぎていました。

 

このままでは、Aさんの生活がままならないことなどを根気よく話をし、後見人申立てと相続手続きのお手伝いをしていただくことを了承していただきました。

結局、後見人がついたのが、妻の死亡から約1年後でした。

この間のAさんの生活はなんと危険で不安なものだったでしょう。

今は、後見人がついて、遺産分割協議も終わり、後見人が財産管理も身上監護もしてくれるようになりました。

 

今回のケースは、事前に任意後見人契約をしていたら、遺言書が書いてあれば・・・と考えずにはいられませんでした。

子供のいないご夫婦には、事前の対策が必要なことを痛感しました。

 

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