くらしの豆知識

あなたの隣りの相続物語 第36回 ~付言事項があったからこそ~

 

掲載日:2015/05/01

‡ 付言事項があったからこそ ‡

 

 

相続手続支援センターパンフレット

長期入院をしているBさんから、「長男は、家を出て行ったきり私の面倒を見ることもなく、連絡すらろくにせず、金銭に困ったときだけ頼ってくる。遺言をつくりたいのだが、どうすればいいか」という相談を受けました。

 

このような場合、Bさんが請求すれば、「推定相続人の廃除」という方法で、家庭裁判所が審判によって、その推定相続人の相続権を失わせるという方法がありますが、Bさんはそれをすると、後で兄弟がもめることになるので、「推定相続人の廃除」はされませんでした。

 

そこで、公証人に出張をしてもらって、「公正証書遺言」を作成することになりました。

内容は、「次男に全て」というものでしたが、Bさんの一番の強い願いである「兄弟は助け合って、いつまでも仲良く暮らしてほしい」という付言事項をつけました。

 

相続手続支援センターパンフレット

その後、ほどなくしてBさんは亡くなりました。

葬儀に出席した長男が、「今回の相続できっちり財産を半分はもらうから」と言いましたが、次男がBさんのつくった公正証書遺言を見せました。すると、長男はしばらく遺言書を眺めた後、「わかった。それなら仕方ない。それが父の思いならそのとおり相続していい」と言って帰って行きました。

その後、兄弟が争うことなく、Bさんの遺言どおりに相続が行われました。

 

法律的な事だけでなく、付言事項を書くことにより、「兄弟仲良く過ごしてほしい」という、Bさんの願いが、長男にも伝わったのだと思います。

 

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